世間では、「投資知識がなくてもできる、ほったらかし~~」「忙しくてもできる、自
動設定~~」 というフレーズをよく見かけます。
金融各社が工夫を積み重ね、投資の門戸を広げてくれている素晴らしい成果です。
こういう流れにのって一人でも多くの方が、資産形成の過程で投資に取組むのはとても
良いことだと思います。
しかし、投資することに緊張感を失い、少し慣れてきた矢先に痛い目に合うということ
は良くあります。
「本当に」ほったらかしはダメなんだという事例をご報告します。
「ほったらかし~~」「自動設定」の危険性
結論から言います。
「外貨積立」の設定を勘違いして、意図しないレートで、意図しない額の外貨積立をし
てしまいました。
この年末の資金需要の旺盛な時期に、1ヶ月分の給与をはるかに、はるかに超える金額
をドル転してしまっていたんです。
なぜ、こんなことになってしまったのか、ご説明します。
経緯
2019年から外国株式への投資をするため準備を始めました。
その一環として、ドル転、つまり円からドルへの手段を考えました。
「円貨決済」か「外貨決済」か、ドル転は、「一括」か「積立」か検討しました。
始めたてでやる気満々ですから、上限レート指定での外貨積立を選択しました。
当初はおおよそ、105円~108円で推移していたのですが、2020年9月以降、103円~104
円というレートになってきたので、積立額を増額しました。
外貨積立は順調に進み、2020年度、2021年度の外国株式買付計画分を準備できました。
そのタイミングで、著名アナリストの「2021年は円高が進行し100円を割り込む」とい
う言葉を鵜呑みにしてしまい、上限指定レート変更・設定金額増額しました。
ところが、2021年は円安で進行し、110円~114円というレートになっていたので「上
限レート指定」が作動して、積立が成立しない日がずっと続きました。
ここです。ここで勘違いしました。
【「上限レート指定」が作動して、積立が成立しない】という状況を【積立停止してい
る】というふうに勘違いして思い込んでいたんですね。
気付けば、1年ぐらい、まったく外貨積立は設定していなかったんですが、当面の計画
資金は準備していますので、気にも留めなかったです。
そうして、とうとう、12月1日から「上限指定レート」が解除され、増額した設定金額
すべてが積立実行されていました。
気付いた時には時すでに遅し、1ヶ月分の給与をはるかに、はるかに超える金額をドル
転してしまっていたんです。
あわてて、ネット銀行のサイト上で調べましたが原因が分からなかったので問い合わせ
しました。
回答としては、
「購入上限レートの設定解除に関しましては、外貨積立の機能概要説明書ならびに、お
申込画面の注意事項にてご案内しておりますので、ご確認ください。」
確認しました。
「機能概要説明書:外貨積立」
【購入上限レート】
・判定レートは振替時の為替レート(TTS)となります。
・振替時の為替レートがお客さまの指定した為替レートより円安だった場合、外貨積立
での預入は実行しません。
※購入上限レートは設定・変更時から11 ヵ月後の月末に解除されますので、改めて設定
していただく必要があります。
また、事前連絡はできないものの、自分で設定しておけば、購入上限レート設定変更の
お知らせはあるようです。
「メールサービスの任意項目の「各種設定変更」を設定いただきますと、登録メールア
ドレスへお知らせいたします。」
完全に私の確認不足です。
原因は何だったのか?
敗因は
外貨積立用の資金計画が甘くなっていたこと。当初予定の50%進捗あたりから意識が薄
くなっていました。
外貨積立用の資金管理が甘くなっていたこと。口座の中であいまい、おおまかに捉える
程度になっていました。
「上限レート指定発動による不成立」を「外貨積立設定の停止中」と思い違いしていた
こと。
この3点に共通している、根底にある問題点は「慣れによる注意不足」です。
自動車の運転でよく言われる、「だろう運転」です。
「来ないだろう」「いないだろう」はダメ。
「来るかもしれない」「いるかもしれない」にしないといけませんね。
対策として
自動設定は便利であるが故に「当たり前」になってしまい「危機意識」が薄れていきま
す。 すべての仕組み、ルールを熟知しなければいけない訳ではないが根幹をなす仕組
み、ルールは理解しておくようにします。
状態は定期的にチェックします。
少なくとも6ヶ月できれば3ヶ月に1回はくまなくチェックするつもりで。
今回の教訓
結局のところ、「慢心していた」ということです。
好調相場のおかげで少しばかりリターンがよく総資産額が順調に増加していると勘違い
していたんですね。
今回は、本当に反省しました。
あと数日、発見が遅れていたら年が越せないところでした。
年末年始にかけて、資金計画・資金管理を徹底的に見直します。