ニュースを見ていて、意味の分からない用語だったり、知らない出来事がでてきて解説
なく進んでいくことがありますよね。
そのまま、なんとなく理解したような感じで終わる。次回、また「ん?」となりながら
終わる。これを何回か繰り返すと恐ろしいこと
に、「知っていること」にしてしまうんです。そうならないために、用語、出来事をピ
ックアップして解説していきます。
鳴り響くスタグフレーション警報、市場の関心はCPIと決算発表に
世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツのグレッグ・ジェンセン共同最高投資責任者(CIO)は、成長を妨げる物価の上昇が「真のリスク」であり、多くのポートフォリオが著しく影響を受けると述べた。
ドイツ銀行がマーケットの専門家を対象に実施した調査では、ある種のスタグフレーションに陥る可能性の方が高いというのが「かなり強いコンセンサス」だった。ゴールドマン・サックス・グループは投資家に押し目買いを勧めているが、ストラテジストによると、顧客との会話の中で最も多かった話題は「スタグフレーション」だったという
景気停滞を意味する「スタグネーション(Stagnation)」と「インフレーション
(Iinflation)」を組み合わせた合成語です。
景気が後退していく中でインフレーションが同時進行する現象のことをいいます。
景気の停滞は、需要が落ち込みデフレ(物価下落)要因となりますが、
原材料や素材関連の価格上昇などによって不景気の中でも物価が上昇することがありま
す。これが、スタグフレーションです。
景気後退で賃金が上がらず物価が上昇する状況は、生活者にとって極めて厳しい経済状
況となります。
成長を妨げる物価の上昇が「真のリスク」と主張されています。
これこそスタグフレーションの定義にある『原材料や素材関連の価格上昇などによって
不景気の中でも物価が上昇すること』という状態を招くとして「真のリスク」と捉えて
いるのですね。
こうした議論の是非はともかく、エネルギー価格が数年来の高水準になっていることや、根強い供給不足が世界的にサプライチェーンを圧迫していることについては警鐘が鳴らされている。こうした要因が物価圧力を高め、債券利回りを上昇させている半面、経済成長が減速しつつある中で米連邦準備制度など世界の主要中銀は景気刺激策の巻き戻しを検討している。
「エネルギー価格が数年来の高水準」であること「根強い供給不足が世界的にサプライ
チェーンを圧迫」していることが「物価圧力を高め、債券利回りを上昇させている」と
いう状態です。
エコノミストは21,22年の米国の経済成長率見通しを引下げ、IMFは世界の成長見通しを
下方修正しています。
まさに『原材料や素材関連の価格上昇などによって不景気の中でも物価が上昇するこ
と』になってきています。
S&P500種株価指数は過去最高値を約4%下回る水準にとどまっており、株式投資家は今のところ落ち着きを保っているように見える。
しかし、7-9月(第3四半期)の決算発表シーズンが始まり、経営陣がサプライチェーン問題やコスト上昇を話題にするようになれば、そうしたムードが一変する可能性があるとミラー・タバクのマット・メイリー氏はみている。
いわゆる、金融相場から業績相場への過渡期に、企業の決算発表は重要で、経営者のコ
メントに注目しているということです。
割高だった株価指標も企業業績の回復によって割高感が薄れていくことが実現できるか
どうかのジャッジです。
コロナウィルスによるパンデミックは、私たちの日常を変え、経済のセオリーを揺さぶ
りました。
世界各国の金融政策によって、経済的な混乱は避けられましたが、どう着地するのかは
予断を許しません。
9月2週目以降の市場の不安定さが、それを表しています。
私たち個人投資家もしっかり注視して落ち着いて行動しましょう。