ニュースを見ていて、意味の分からない用語だったり、知らない出来事がでてきて解説
なく進んでいくことがありますよね。
そのまま、なんとなく理解したような感じで終わる。次回、また「ん?」となりながら
終わる。これを何回か繰り返すと恐ろしいことに、「知っていること」にしてしまうん
です。そうならないために、用語、出来事をピックアップして解説していきます。
米格付け「AAA」がリスクに、債務上限で行動なければ-フィッチ
米議会が連邦債務上限を引き上げず、米財務省がデフォルト(債務不履行)を強いられる場合、同国の「AAA」ソブリン格付けがリスクにさらされる可能性があると、格付け会社フィッチ・レーティングスは指摘した。
米連邦政府の発行する国債の発行上限は歳出関連法によって決められています。
「債務上限」とは、米連邦政府が国債発行などで借金できる債務残高の枠のことです。
債務が法定上限に達すると、デフォルトを回避するために、政府は議会の承認を得て、
上限を引き上げます。
引き上げられない場合は、国債の新規発行ができなくなるため、債務不履行(デフォル
ト)に陥ります。
つまり、元本や利息の支払いが遅延したり、停止したりする状態になります。
フィッチは1日、米財務省による支払いの遅れあるいはデフォルトは、それが財務省証券以外のものであっても、
「米国の『AAA』格付けに悪影響を及ぼす可能性が高い」と説明。2011年に起きた債務上限を巡る混乱を想起させる格好となった。
当時はS&Pグローバル・レーティングスが米国を「AAA」から格下げし、世界の金融市場に動揺が走った。
2011年に債務上限引き上げに関する法案が、ぎりぎりのところで成立しましたが、スタ
ンダード・アンド・プアーズは、
米国債の格下げを発表し、市場に動揺が広がりました。
米国国債は、安全性の高い国債と考えられているため、世界中の国、政府、金融機関、
企業、個人が購入しているからですね。
フィッチはその上で、「デフォルト事由の回避に向け、債務上限は期限までに引き上げられるか、適用が停止されると確信している」と強調した。
同社は米国の「AAA」格付け見通しを2020年7月以降、「ネガティブ(弱含み)」に設定している。
格付けAAAは、「信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。」という評価です。
「ネガティブ(弱含み)」というのは「格付の方向性」のことです。
「格付の方向性」には、「ポジティブ(強含み)」、「ネガティブ(弱含み)」、「ス
テーブル(安定的)」があります。
「ネガティブ(弱含み)」だから、必ず格付けが下がるということではありません。
「しかし、これがタイムリーな形で実行されない場合、
政治的な瀬戸際政策や資金繰りにおける柔軟性低下は、米国のソブリンデフォルトリスクを高める恐れがある」と警告した。
国・地域に対する信用リスク。各国の政府などが発行・保証する国債は「ソブリン債」
と呼ばれます。ソブリン債は財政悪化や政情不安などで価格が下落したり、デフォルト
(債務不履行)になったりするリスクがあります。
格付け機関は国・地域別に格付けを付与し、ソブリンリスクが明示的に分かるようにし
ています。
原則として、ソブリン債は当該国における債券の中で最も高い格付けとなっており、当
該国にある企業の社債の格付けなどにも影響を及ぼします。
私の意見
「議会が債務上限を引き上げないという選択、つまり米国のデフォルトという選択をす
ることはない」というのが大勢の見方ですね。
しかし、実際、一時的にではありますが、何度か政府機関が閉鎖となったこともありま
したよね。
また2011年のように、債務上限引き上げに関する法案がぎりぎりのところで成立して
も、米国債の格下げが発表され市場が動揺するということもありました。
政治においても、経済においても、過去「まさか」と思われていたことが何度も発生し
ました。ブラックスワンですね。
いずれにしても、私たちの資産形成に影響があることです。
しっかり注視しておきましょう。