人生100年時代の資産形成について考える

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「人生100年時代」のライフスタイルの可能性を追い求めています。

【重要ポイント】企業型確定拠出年金【想定利回り編】

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職場の方から企業型確定拠出年金の質問を受けることがありますが、確定給付型との違

いがピンと来ていないケースが多いですね。特に運用についての苦手意識が強く、アレ

ルギー反応のような拒否姿勢を示す人も多いです。

制度の特徴については、基礎の重要なポイントだけでも理解しておいた方が良いので、

まとめてみます。

 


企業型確定拠出年金(DC)と確定給付型企業年金(DB)の違い

 

すこし丁寧におさらいしていきましょう。


確定給付企業年金(DB)

DBというのは「Defined Benefit Plan」を略したものです

労使の合意のもと、将来の年金給付額を設定し、それに必要な掛金を会社が拠出してい

くものです。

従業員が受け取る年金給付額を予め約束した形なので、会社の運用責任は大きいです。

運用成果が確定している給付額に満たない場合には、会社が追加拠出するということに

なります。


企業型確定拠出年金(企業型DC)


DCというのは、「Defined Contribution Plan」を略したものです

会社が従業員のために掛金を拠出し、従業員はその資金で金融商品を選択し運用してい

きます。

選べる運用商品は、会社によって異なりますが、複数の商品の中から選んで、長期的に

運用し、運用成果によって、原則60歳以降に受け取る給付金が異なるというものです。


シンプルに表現すると


確定しているのが、給付額か拠出額かの違いです。

どちらの制度においても、給付は掛金と運用収益で賄われますが、株式・債券等を中心

に運用されるため運用収益は変動します。

資産運用のリスク・リターンについて、確定給付では事業主(会社)が引き受け、確定

拠出では加入者(社員)が引き受けるという違いがあります。

 

 

想定利回り

 

DC法では想定利回りは規約で規定すべき事項とはされていません。

しかしながら、とても、とても、とても大切なんです。

事業主側(会社)と加入者側(社員)の見方をご説明します。

まず、事業主側の見方としては、退職給付制度から確定拠出年金に移行する場合に、事

業主掛金を決める際の割引率です。

そして、加入者側の見方としては、加入者が給付時まで資産運用をする際の目標利回り

です。2つの意味を持つ大切な数値なんです。

そして、従来制度と同水準の給付額となるように運用するために必要な利回りであると

いうことは、とても重要です。

想定利回りが高い率であれば、事業主としての掛金負担が軽くなり、加入者の運用目標

は高くなるということです。。

つまり、想定利回りが高いということは運用に期待する額のウエートが高いということ

ですから、会社の掛金拠出負担は少なくてすむということになります。

一方、想定利回りが低いということは運用益に依存するウエートが低いということであ

り、会社の掛金拠出負担は多くなります。加入者にとっては、運用の負担が軽減されま

す。

調査では年率1.75%から2.0%程度の想定利回りを設定することが多いようです。

 

私の意見

 

企業型確定拠出年金の質問を受けた方に、想定利回りを質問して、答えられた方は1人

もいませんでした。

会社側からの説明で重要視されていないということも大きな要因です。

しかし、私たち社員側も「ん?」と引っかかりたいところですね。

確定しているのが、給付額から拠出額に変ったということは、運用リスクが会社側から

社員側に移ったということです。

その運用リスクを背負う、私たちは覚悟をもって臨まなければならないんですね。

「減らなければ良いから元本確保にする。」というのは間違っています。

想定利回りで運用できなければ、減ってしまうんですね。

想定利回りが0%台でなければ、元本確保だと減るということです。

誰にでも、あてはまる正解はありませんが情報を得て知識を増やすことは大切です。

あくまでも、自分の人生・自分の資産です。資産形成を楽しみましょう!