人生100年時代の資産形成について考える

人生100年時代の資産形成について考える

「人生100年時代」のライフスタイルの可能性を追い求めています。

【重要ポイント】企業型確定拠出年金【運用編】

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職場の方から企業型確定拠出年金の質問を受けることがありますが、いろんな情報を混

同してしまっているケースが多いですね。

運用について基礎の重要なポイントに絞って理解しておいた方が整理しやすくなります

ので、まとめてみます。

 


企業型確定拠出年金の運用ポイントとは

 

結論として、「長期積立分散投資の徹底」です。

 

運用ポイントは4点です。

 

①60歳までにいくら準備したいか目標金額を決めましょう。

②目標金額にするための、リターン(運用利回り)とリスク(ブレ幅)を検討しましょ

う。

アセットアロケーション(資産配分)を設定しポートフォリオ(商品選定)を決定し

ましょう。

④定期的に資産配分のチェックとリバランス(見直し)をしましょう。

 

①60歳までにいくら準備したいか目標金額を決めましょう。

当然ながら一番大切です。

企業型確定拠出年金は老後資金の主力の一角を担う資金です。

ひとつの目印として「想定利回り」を使って試算してみるという方法があります。

「想定利回り」というのは、従来の退職給付制度から移行するにあたって、従来制度と

同水準の給付額となるように資産形成するために必要となる運用利回りのことです。

つまり、従来の制度での給付額を基準にするということです。

しかし、よい機会ですから、何十年も先のことですが、しっかりと考えてみましょう。

基本的には拠出金額と運用商品は決められていますので、ある程度は固まってしまいま

すけどね。

 


②目標金額にするための、リターン(運用利回り)とリスク(ブレ幅)を検討しましょう。

 

ここも、とても大切なポイントです。成果と継続に関わります。

リターンのみに目が行きがちですが、重要なのはリスクですよ。

また、税優遇制度で何十年という長期間の運用をするのですから、元本確保のみでは、

もったいないですよ。

そして、何十年という長期間の運用では、何度か暴落を経験するでしょう、その時にパ

ニックにならないように、リスクを見積もっておきましょう。

 


アセットアロケーション(資産配分)を設定しポートフォリオ(商品選定)を決定し

ましょう。

 

アセットアロケーションは資産全体として考えるのか、企業型確定拠出年金のみで考え

るのか、賛否両論です。

基本的には運用商品は20本程度に決められていますので、ある程度は固まってしまいま

す。

また、魅力的な商品が少ないというのも特徴ですね。

 


④定期的に資産配分のチェックとリバランス(見直し)をしましょう。

 

できれば、半年に1回。少なくとも、1年間に1回はチェックしましょう。

リバランス(見直し)は1年間に1回で充分です。


資産配分割合がズレた場合には、「スイッチング」をしてバランスを整え、リスクを管

理することが重要です。

具体的には、割合が増えている商品を売却して、割合が減っている商品を購入します。

スイッチングとは、保有資産の一部または全部を売却して、別の商品を購入することで

す。

また、目標到達度、運用環境の変化などにより、リターンとリスクを見直すことも考え

られます。

その場合、ここまで運用してきた積立資産合計の割合だけでなく、「配分変更」をし

て、今後の購入する商品の割合の変更が必要になります。

配分変更とは、毎月の掛金で購入する商品とその割合を変更することです。

 

 

投資信託を選ぶ際のポイント

 

①投資対象資産

②パッシブ型(あるいはインデックス型)とアクティブ型

③運用実績

④信託報酬

 

①投資対象資産

 

対象となる資産には国内株式、外国株式、国内債券、外国債券、不動産投資信託

REIT)など様々です。

アセットアロケーションの設定に従って決定しましょう。


②パッシブ型(あるいはインデックス型)とアクティブ型

 

市場指数(ベンチマーク)に連動することを目標としているパッシブ型で充分です。

長期間で市場平均に勝てるアクティブファンドは一握りしか存在しません。


③運用実績

 

「運用報告書」や「運用レポート」で同じ資産クラスの複数商品を比較して下さい。

運用成績は、3年、できれば5年以上の運用状況を確認します。

純資産残高は投資資金の合計、つまり、投資信託の規模。10億円を下回るようなら繰り

上げ償還(途中で運用中止)の可能性も高まりますので注意です。

 


④信託報酬

 

運用期間中のランニングコストになるため、必ずチェック

一般的に投資信託の費用は債券型より株式型が高く、「インデックス型」より「アクテ

ィブ型」の方が高い傾向です。

また、解約時に発生する「信託財産留保額」がかかる商品もあります。

 


【番外編】

 

定期的なメンテナンスをする時間が取れない場合は、バランス型ファンドに投資して、

いわば「プロにお任せ」するという方法もあります。

バランス型ファンドは、複数資産が組込まれていて、資産配分割合をプロがコントロー

ルしていくため、見直しの手間がかかりません。

また、ターゲットイヤー型のように、運用期間が経過するに従ってハイリスク・ハイリ

ターンからローリスク・ローリターンに資産配分を自動的に変えてくれる商品もありま

す。

 

 

私の意見

 

企業型確定拠出年金は、私たちの老後資金の主力の一角を担う資金ですから、興味をも

って質問してきてくれるのは、とても嬉しいです。

しかし、一方で形だけの継続教育でお茶を濁している企業に対しては、複雑な気持ちに

なります。

資産形成に取組むことで、経済・金融に興味を持つようになれば企業にとってもプラス

だと思うんですけどね。

私は、何度でも、何度でも、できるだけ分かりやすく説明しますし、少しでも役に立て

たら良いなと思います。

誰にでも、あてはまる正解はありませんが、資産形成に取組むお手伝いができれば、私

は幸せです。

あくまでも、自分の人生・自分の資産です。資産形成を楽しみましょう!