人生100年時代の資産形成について考える

人生100年時代の資産形成について考える

「人生100年時代」のライフスタイルの可能性を追い求めています。

【データ分析からみた】持ち家 VS 賃貸

f:id:sisan73:20210920184509p:plain

「持ち家 VS 賃貸」というのは、長らく論争されている興味深いテーマです。

誰しも自分の選択に有利な意見を支持したいところですが、面白い記事をみかけたので

ご紹介します。

 

持ち家・賃貸論争を再分析 「賃貸派」から見える価値観の傾向

bizboard.nikkeibp.co.jp

 

データから

 

2018年の住宅・土地統計調査(以下「住調」という)によれば年齢の上昇とともに持ち家率が上がっていくこと、また、国立社会保障・人口問題研究所の2016年の第8回人口移動調査から、引っ越しをする人の割合は年齢が高くなると急激に減少し、45歳以上では年率4%未満になることを紹介した。つまり世の中の人々の多くは持ち家を選択している。その点で「持ち家派」の勝利であり、「持ち家とは自分自身を顧客とした最も確実性の高い賃貸事業である」と結論付けた。

 

晩婚化が定着しつつあることも関係しているのでしょうか。

年齢の上昇とともに持ち家率があがり、引越しをする人の割合が急速に減少するんです

ね。感覚的には、確かに私の周囲や接点のある範囲では「持ち家派」が圧倒的多数です

ね。


意向として「家を持つべきだ」と考えている人が44.5%と多数を占め、次いで家を持つべきかどうか明確な考えがない人も40.5%とかなりのボリュームがあり、否定的な意向を持つ人は15%と少ないということだ。
「家を持つべきだ」という考えに対して否定的な意向を持っているにもかかわらず持ち家に住んでいる人が3割弱いるのも興味深い。
その結果、持ち家に否定的で、かつ実際に持ち家ではない居住形態を行動として選択しているのは、全体の10.6%とかなりの少数派になっている。

 

これは本当に興味深いです。

『「家を持つべきだ」という考えに対して否定的な意向を持っているにもかかわらず持

ち家に住んでいる人が3割弱いる』ということが。

どういうことなんでしょうか?住環境に納得していない?収支が苦しい?夫もしくは妻

の意向に合わせたが納得していない?

私は、ものすごく家が好きなんです。納得しているし満足しています。

 


否定的なコメントへの回答

 

「持ち家否定派」の人たちからの否定的なコメントに回答されていますが、面白いので

ご紹介します。

 

「持ち家は、地震や豪雨などで全壊したら借金だけが残る」
地震に対しては地震保険で解決するし、豪雨災害は場所を慎重に選べばかなりの確率で避けられる。
しかも、最近の住宅の耐震性能は非常に高く、新・新耐震なら直下型地震が起きたとしても全壊する可能性はかなり低い。

 

この意見はよく聞きますね。

回答のように、住宅購入に際して精査し、検討するべきと思います。

ただ本当に、この理由で住宅購入を見送っているとしたら、少し心配し過ぎのような気

もします。


「今の時代、ローンを払い続けられるような雇用の安定の保障はない」
→2021年7月の失業率は2.8%と非常に低く、雇用はかなり安定している。
現状では年功序列の給与体系が色濃く残っており、いきなり失業し住宅ローンや家賃を払えなくなる確率はかなり低い。
さらに言えば、もし失業率が非常に高まるような事態になれば、インフレになる可能性が高く、インフレになれば住宅ローンの負担は相対的に小さくなり、
返済負担が大きく減少する、という可能性もある

 

この意見はあまり聞いたことがないですね。

逆に「ちょいちょいちょいちょいちょい!」とビックリするぐらいの思い切った住宅購

入をよく見かけます。

「言われるがままローン組んでみました!!!」みたいな無邪気というか屈託のないと

いうか。

 


「賃貸なら子供の独立など家族構成の変化に応じて住み替えが容易だが、持ち家は売るのが大変」
→全てのケースではないが、持ち家を貸した場合の家賃は住宅ローン支払額を上回ることが多い。
売却せずに人に貸し、自分たちも賃貸物件に引っ越す手がある。また4回目の記事で書いたように、そもそも年を取ると人は引っ越さなくなる。

 

この意見もあまり聞いたことがないですね。

私の周囲の人たちは考えの浅いタイプが多いんでしょうか。

そういえば、「その時はその時で・・・」という言葉をよく聞くような気もします。


「日本は人口減なので、不動産は暴落する。安い家賃で住めるようになり持ち家は不要」
→連載15回目の記事で書いたが、人口減少は日本全国で均一に起きるわけではない。
確かに地方では家賃が下落する可能性もあるが、大都市部の人口減少率は低く、家賃が暴落するとは限らない。
空き家についても、大幅に増加する可能性は少ないことを2回目・3回目の記事で書いた。

 

この意見を言ってる方がいました。

「定年までは社宅を渡り歩いて安く住んで、定年後には不動産が暴落してるから、安く

住宅購入する。」とおっしゃってました。

どうなるかは私には分かりませんが、持論のようで、持ち家の人を見つけてはおっしゃ

ってました。20年後に結果を聞いてみたい気もします。

 

「持ち家は自分を顧客にした賃貸事業なので利益が乗っていないぶん有利というが、持ち家の購入時に売り主や建築業者の利益が乗っているのではないか」
→確かにその通りだが、賃貸物件でも建築時に業者の利益が乗っており、これが毎月の家賃に入っている。
また家主が建築費を借り入れていれば、その金利も家賃に入っている。そこにさらに家主の利益が上乗せされるので、持ち家のほうが有利と言える。

 

 

 

この意見もあまり聞いたことがないですね。

ただ「利益が乗っているのではないか」という比較部分に引っかかりだすと厳しいよう

な気がします。無限ループですよね。


「DCF(割引キャッシュ・フロー)法で計算すれば、持ち家を買う金額で株に投資したほうが明らかに有利」
→もし株への投資資金を住宅ローンと同じ条件で借り入れできれば、その通りだが、実際には不可能だろう。
持ち家の住宅ローンだからこそ金利が低く抑えられており、住宅ローン減税なども受けられる

 

この意見もあまり聞いたことがないですね。

根本的な部分や諸条件の設定が違いすぎて難問ですね。


筆者に賃貸住宅を否定する意図はなく、持ち家までのつなぎや、なんらかの理由で家を購入できない人たち、学生や単身赴任者向けなど、
重要な社会的意義があると考えている。また、家を持つかどうかに思想的な背景があり、積極的に賃貸住宅を選ぶ人がいることもよく理解している。
持ち家・賃貸論争は、そもそも勝敗を付けるものではなく、個々人が選択することだ。その際に多少なりとも本稿が参考になれば幸いである。

 


私の意見

 

「持ち家・賃貸論争は、そもそも勝敗を付けるものではなく、個々人が選択すること

だ」がすべてだと思います。

多様な考え方を傾聴し、議論を尽くすことは素晴らしいことです。

そうして、より良い選択ができれば良いのですからね。

気を付けたいのは、感覚的にだけ捉えて、偏った情報を鵜呑みにして、考えを固定して

しまうことです。

その道の第一人者もカリスマも、自分ではありません

あくまでも、自分の人生・自分の資産です。資産形成を楽しみましょう!