人生100年時代の資産形成について考える

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「人生100年時代」のライフスタイルの可能性を追い求めています。

個人投資家のアセットアロケーションに暗号資産(仮想通貨)は必要?

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【2021.9.7.初投稿】【2021.10.25.更新】

 

アセットアロケーションがビシッと決まらずに悩んでいませんか?

「暗号資産も必要かも、でも税金面で不利というのは本当なのか・・・」

歴史の浅い資産だけに、あれこれ悩みますよね。

この記事では、暗号資産の特徴を通貨・他の資産と比較します。

 

 

 

個人投資家アセットアロケーションに暗号資産(仮想通貨)は必要?

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結論から言います。

私たち、個人投資家アセットアロケーションに暗号資産(仮想通貨)は必要ありませ

ん。でも、どうしてもという場合、ギャンブルとしての位置付けで良いと思います。

一攫千金を夢見て遊ぶ用の予定資金内であれば良いと思います。

では、順番に説明します。

 

 

 

通貨としては?

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まず、通貨について、おさらいします。

お金には主に3つの性質があります。

 

1. 物と交換できる性質:決済手段

2. 価値を蓄えることができる性質:価値保蔵

3. 物の価値を決めることができるという性質:価値尺度

 

つまり、すべての人にとって貨幣として認められ、他の人の所に持ってゆけば一定の有

用性、使用価値を持ったどのような財とも交換可能ということです。

そして、通貨としての役割を果たす地域の広さや交換できる品目の多さや、どれだけの

取引が交換できるか。これらの優劣が、通貨の優劣の定義とされています。

つまり、主要な通貨として信じる人々の供給能力や購買力の影響を受けます。他の通貨

を信用する人は、その通貨を信用する人と取引するためには、通貨を交換しないといけ

ません。

手間を省こうとしたら、自然と取引に使われやすい通貨が選好されるようになります。

そうして供給能力や購買力が高い地域で通用する通貨ほど優秀となります。

 


暗号資産(仮想通貨)とは

f:id:sisan73:20211003121553p:plainでは、仮想通貨について、日本銀行の定義を確認しましょう。

日本銀行のホームページ

https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/money/c27.htm/

「暗号資産(仮想通貨)」とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値であ

り、「資金決済に関する法律」において、次の性質をもつものと定義されています。

(1)不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる

(2)電子的に記録され、移転できる

(3)法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない

 

 

暗号資産は、国家やその中央銀行によって発行された、法定通貨ではありません。

また、裏付け資産を持っていないことなどから、利用者の需給関係などのさまざまな

要因によって、暗号資産の価格が大きく変動する傾向にある点には注意が必要です。

 

(注意)

法令上の整理としては、「仮想通貨」の呼称が「暗号資産」に変更されています。

これは、国際的な議論の場において、「crypto-asset」(暗号資産)との表現が

用いられつつあることや「仮想通貨」の呼称は法定通貨との誤解を生みやすいことなど

が変更の理由とされています。

 

2019年5月31日に資金決済法と金融商品取引法の改正参議院本会議において可決・成

立し、『仮想通貨』から『暗号資産』への呼称変更が決定しました。

 

 

 

仮想通貨にかかる税金

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仮想通貨の売買で一定の利益をあげると、確定申告が必要になります。

仮想通貨の取引などで得た利益は雑所得に分類されます。

雑所得は総合課税の対象で、給与所得などほかの所得と合算した額に応じて税率が決ま

ります。

このため、利益が多額になれば、累進課税によって所得税の税率は最大45%までアップ

し、住民税10%と合計して最大55%になる可能性もあります。

 

また、仮想通貨の売買損益にかかる所得税は、1月1日から12月31日までの1年分の取引

総額が対象です。

合計所得額を計算する方法には、「移動平均法」と「総平均法」の2つがあり、申告の

際はいずれかを選択する必要があります。

 1度選択した計算方法は、翌年以降も継続して使用するルールがあります

 

移動平均法とは、仮想通貨を購入するたびに購入額と残高を平均し所得を計算する方法

です。

総平均法とは、1年間の購入平均レートをもとに計算した総購入金額と、売却合計金額

の差額(所得)を計算する方法です。

 

また、仮想通貨の場合仮想通貨同士の損益、雑所得内での損益は差し引きが可能です

が、他の金融資産などに対して損益通算はできません。

さらに、繰越控除も仮想通貨は対象外です。


一方で、株式投資申告分離課税で、売却益の所得税税率は15%、住民税は5%です。
もちろん、損益通算も繰り越し控除もできます

 

 

 

リスクの高さ

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仮想通貨投資については「非常にリスクが高い。アセットアロケーションの5%程度を

上限目安とすること」とされることが多いようです。

著名投資家も資産の一部として仮想通貨を保有していることを明かしています。

著名人のTwitterで高騰したかと思えば反対に劇落する、まさに乱高下です。

たとえば、株式も災害、金融不安、企業の不祥事など、予期せぬことで劇落することも

あります。しかし、財務の健全性や成長への期待など、本質的な価値を分析・検討する

ことができます。

仮想通貨の本質的な価値は分析・検討することができないです。

供給量の上限くらいでしょうか。

 

 


本質的価値はある?

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また、仮想通貨は、金のように位置付けられることがあります。

金は潜在的に価値がある資産として保有することに意義があると考えられています。

仮想通貨自体に価値がある資産として保有することに意義があるでしょうか?

問題は、「仮想通貨を金と同じように潜在価値があると考えられるか」です。

一方で、仮想通貨やそれを可能としているテクノロジーは、今後も進化して将来的には

広く一般に受け入れられるようになるでしょう。

ここで混同してはいけないのが、「仮想通貨を可能としているテクノロジーへの期待」

と「仮想通貨そのものの価値」は同じではないということです。

国の通貨として確立しているドルや円であれば、ドル安、円安になっても、その通貨自

体の価値がゼロになることはないのですが、

前述の日本銀行の仮想通貨の定義にもあったように仮想通貨の価値を保証するものは何

もないのです。

その価値の安定を操作している中央銀行もなければ、預金保険制度による保護もありま

せん。

 

 


私の意見

 

ここまでみてきたように、株式のように本質的価値はなく、金のように潜在的価値はな

く、通貨のように価値を保証するものはありません。

他の資産との相関係数から、アセットアロケーションに組み込むべきという意見もあり

ますが「逃げ場」としての資金投入は、資産形成の本質とは考えにくいです。

そして、著名人の発信で乱高下を繰り返すというリスクを抱えています。

つまり本質的なものが将来成長することを期待する「投資」ではなく、当たるか外れる

かの確率にかける「投機」です。

「どの仮想通貨が儲かりそうか」という問題は、「どの宝くじを買うか」「どの馬を選

ぶか」と同じです。

投機は、長期インデックス投資とは根本的に別物です。

よって「仮想通貨をアセットアロケーションに追加すべきか」は必要ではないです。

私たち、生活者としての個人投資家アセットアロケーションには必要ありません

ギャンブルとしての位置付けが良いと思います。

ギャンブルで一攫千金を夢見て遊ぶのも予定資金内であれば良いと思います。

しかし、あくまでもギャンブルですから、遊びの範囲の資金にとどめるべきです。

資産形成の一部としてではなく、遊びのギャンブルとして、ささやかな金額で夢を買う

遊びとしてです。

あくまでも、自分の人生・自分の資産です。資産形成を楽しみましょう!