「なかなか貯金ができない」とか「投資を始めたいけど資金がない」という悩みを抱え
ている方にむけて。学問的な説明、身近な事例もご紹介しますので、そうでもない方にもお役立ていただけますよ。
【効果抜群】貯金ができるようになる方法
結論から申し上げますと、「給与天引き・自動引き落とし」です。
そうなんです。昔からある、珍しくもなんともない手法なんです。
しかし!! これが効果抜群なんですよ。
そこで、まず学問的な説明をして、私たちの身近なサービスにも組み込まれていること
も確認しましょう。
学問的な見方
学問的な言い方としては、ナッジといいます。
ナッジとは、行動科学の知見から、望ましい行動をとれるよう人を後押しするアプロー
チのことです。ナッジ(nudge)は英語で「ひじで小突く」「そっと押して動かす」の
意味です。
多額の経済的インセンティブや罰則などの手段ではなく、「人が意思決定する際の環境
をデザインすることで、自発的な行動変容を促す」のが特徴です。
2017年、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞したことが
きっかけでナッジは大きな注目を集めることになりました。
ナッジにはいろいろな手法がありますが、デフォルト設定を使う手法を説明します。
リチャード・セイラー教授がよく例にあげているのは、臓器提供や個人年金を自動加入
にすることで、加入率が大幅に上がったという例です。
デフォルト設定で大事な共通点が1つあります。それは「ナッジは選択の自由を保持す
る」ということです。
上記の例でも、選択をお勧めされているけど、それに従わない選択もできます。
デフォルト設定が強い理由としては
- 暗示と指示:詳しい人が勧めてくれたと思う
- 惰性や引き伸ばし:変えるのはめんどくさい
- 基準点と損失回避:今より損になると思う
- 罪悪感:行為を踏みにじることになる
こうやってみると確かに、その通りですよね。
そして、「給与天引き・自動引き落とし」はまさに、デフォルト設定のナッジですよ
ね。とくに、給与天引きではそうですよね。
毎月、給与明細を見て、支給金額から社会保険料・給与天引きを内容確認している方は
極希ですよ。
ほとんどの方は手取金額だけしか確認していません。
つまり、給与天引き後の手取金額で生活のやり繰りが始まるので、この時点で貯金確定
です。
自動引き落としもほぼ同じ仕組みで投資確定です。
私も従業員持株会で経験しました。
なにかの拍子に止めようかなとか思うんですが、本当に「デフォルト設定が強い理由」
が頭に浮かんで躊躇するんです。
そして続行するというのを何十回も経験しました。
身近なサービスにも応用
私たちの身の回り、生活でも応用されていますよ。
定期購入とか置き配とかメールマガジン配信とか、チェックが入った状態からですよ
ね。もちろん、見やすい位置に明確に配置されてますし、チェックを簡単に外すことが
できます。でも、「デフォルト設定が強い理由」が頭に浮かぶんですよ。
そして、「まあいいか」となって、チェックを外さずに手続きを進めちゃうんです。
私の意見
「給与天引き・自動引き落とし」というと「何だ、そんなことか」と馬鹿にしがちです
が使い方次第で威力を発揮します。
何事においてもそうなんでしょうけれども、長く続いてきているにはそれだけの理由が
あります。
最新の情報、技術にもしっかりアンテナを張りながらも、伝統的な手法の学びも大切に
したいですね。
あくまでも、自分の人生・自分の資産です。資産形成を楽しみましょう!