【2021.8.23.初投稿】【2021.11.26.更新】
過去最高値の更新が当たり前のような錯覚を起こしてしまうほど好調が持続する株式市
場ですが、すっかり気をよくして見落としがちなのが保有資産におけるリスク資産の割
合です。アセットアロケーションを大きく超える、リスク資産の割合になっていません
か?いずれ来る「調整・暴落局面」を、いつ来るかいつ来るかとドキドキしている人も
いれば、待ち構えている人もいらっしゃるようです。
こういう時期だからこそ、「リスク許容度」を見直しておきましょう。
そこで「リスク許容度は、実際の暴落局面においてどれだけ正確なのか」について私の
実体験からご紹介します。
暴落前と暴落後の心の動きに焦点をあてて振返っていきます。
【実体験】本当のリスク許容度【個別株式の恐怖:株価編】
まず、私の場合、シュミレーションサイトでの測定結果としては「リスク許容度」はか
なり高いという判定になります。
「76%/100%」、「5/5」、「積極型」などの判定結果が出ます。
自分自身の評価としても、緊急時に冷静に客観的に対処できるという確固たる自信があ
ります。
では、実際にはどうだったのでしょうか?
コロナショック直前に、日本・外国株式の個別銘柄の買付を始めていますので、その様
子を振り返ります。
時系列で株価の推移と私の行動・心の動きを追います。
2019/7に初めて日本株式の個別銘柄を買付、外国株式の個別銘柄も調査・観察を開始。
この時点の外国株式A社の株価を基準にします。
2019/12にA社の株価、-10% 【チャンスかも。】
2020/1にA社の株価、-18% 【これは良い。チャンス。】
2020/2にA社の株価、-31%。ここで初めて買付。 【絶対に買い時。】
1週間後、2020/3にA社の株価、-44%。追加で買付。 【ラッキー。このまま買い進
めよう。】
2週間後、2020/3にA社の株価、-57%。追加で買付。 【ん?大丈夫か?まあ、少し
買い増しするか。】
3週間後、2020/3にA社の株価、-63%。追加で買付。 【 いや、これはまずいな。で
も今さらやめられない。買い増すしかない。】
その後、最大-71%まで下落しました。
2021/11時点のA社の株価、-32%。
これだけの好況でも回復していません。
あくまでも、私が観察し始めた基準時点との比較です。
「リスク許容度」を超えた時
私の場合、基準時点の株価からー50%を超えたあたりから急激に感情が変わりました。
恐怖です。
特に2020/3の最大-71%まで下落した期間の、私の心の動きとしては
率直に申し上げますと、まったくダメです。もうビビリまくりです。
なんでしたら恐怖のピーク時には焦点固定、心拍あがりまくり、呼吸忘れる、手が震え
る状態でした。
あの時の感覚、感情は忘れられません。
ずっと気になっているので、夜中に目が覚めるんですね。
ふと目が覚めて、AM1:00過ぎにスマホでチェックすると—71%でした。
そこからは「え~」の繰り返しです。言葉すらでてきません。エンドレスです。
やっと我に返ったAM2:00過ぎ、PCを立ち上げて、全売却しようとしている自分に気付
きました。
全身全霊で衝動を抑え込み、「分かってた事。想定内、想定内。大丈夫、生活には影響
ない。」とにかく思い込もうとしました。
もちろん、朝まで寝ることはできず、出社後もずっと涙目でしたね。懐かしいです。
実際の投資環境
資産形成に取り組むにあたり、生活防衛資金の確保、投資資金の準備、毎月の追加投下
資金の確保。計算上では、まったく問題ありませんでした。
コア・サテライト戦略を採用していて、A社の買付予定額は、そのサテライトのうち
の、ほんの一角なんです。
米国の高配当株式、連続増配株式に該当する銘柄を保有してみたかったんです。
いろいろ経験して自分なりの投資スタイルというのを築ければ良いなと思っての行動で
す。
それでも、実際の暴落を経験すると、からっきしでしたね。
これが、フルインベストメントだったら、そりゃあパニックにもなりますよ。
私の意見
まあ、なんと言いますか、いきなり強めの洗礼を受けたというか、本当に勉強になりま
した。
「過信は禁物」です。一番付き合いが長く、裏切らないはずの自分でこれです。
平時に思うのと、有事に思うのは、全然違うということです。別人と言っても良いで
す。
そして、経験が大切だと知りました。経験を通じて知識が知恵になるんですね。
「習うより慣れろ」とか「現地現物」とかいろいろ言いますが本当ですね。
情報を記憶するだけで出来るんだったら、全員プロスポーツマンかつ天才アーティスト
かつ、一流料理人みたいなことですもんね。
資産形成の初期にコロナショックのような暴落を経験するというのは本当の「リスク許
容度」を知る良い機会になりました。
あくまでも、自分の人生・自分の資産です。資産形成を楽しみましょう!