人生100年時代の資産形成について考える

人生100年時代の資産形成について考える

「人生100年時代」のライフスタイルの可能性を追い求めています。

【重要】リバランスの役割【タイミング・手法・具体例・機能】

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アセットアロケーションを設定してポートフォリオを組んで、その後、リバランスまで

取り組めていますか?

リバランスはとても大切で資産形成の行方に影響を与えます。

リバランスのタイミング・手法・調整機能について考えてみます。

 

リバランスとは?

 

長期投資で最も重要なことは自分のリスク許容度を知り、その許容度に応じたアセット

アロケーションを設定しポートフォリオを組むことです。

資産配分こそが長期投資の成否を分けるとも言われています。

リバランスは、自分で組んだポートフォリオが、株式、債券などの価格が上下すること

によって、当初の割合が崩れてしまったのを元の状態に戻すことです。

株式比率が大きくなれば、当初設定よりもリスクが大きくなっている状態、債券比率が

大きくなると当初設定よりもリスクが小さくなっている状態。

目的に合ったポートフォリオを組んでも、放置したままになって、バランスが崩れれば

効果が得られません。

継続してリスクを管理してこそ、有効な資産形成ができます。


リバランスのタイミング

 

リバランスのタイミングとしては、『定期的に実施』『一定割合以上ずれたら実施』

の2通りに大別されます。

長期で資産形成に取り組む、初心者の個人投資家は、定期的なリバランスが良いです。

市場の動きに左右されるような余計な負担は避けたいですね。

しかし、株式が暴落したとき、安くなった株を買ってリバランスするのは良いと思いま

す。

暴落した状況下で冷静な精神状態でのリバランスは難しいですが、それを経験するの

も、また良しです。

だからこそ、リバランスを年に1回の家計全体の棚卸しという恒例行事として習慣

け、暴落局面のみ別途対応というところです。

年1回というリバランスの頻度を考えますと、私たち会社員であれば夏か冬のボーナス

支給時期にあわせて実施が良いですね。

そうすることで売却を伴わないリバランスも可能になります。

さらにボーナスをリバランスに利用すると決めておくと無駄遣い防止にもなります。グ

ッドシェイプです。


リバランスの手法

 

リバランスは「割合の増えた部分を売却して、割合の減った部分を買付け」「新たな

資金を追加して割合の減った部分を買付け」の2通りに大別されます。

「割合の増えた部分を売却して、割合の減った部分を買付け」のリバランスでは基本的

売却益に対して譲渡所得税が発生することになります。

(非課税制度の確定拠出年金の口座などでなければ)

こういった税金負担による資産運用の効率低下を避けるために「新たな資金を追加して

割合の減った部分を買付け」が望ましいですね。

資産形成中の私たちは、新たな資金を追加しながら資産全体を大きくしていくことが大

切です。

また、煩雑なポートフォリオでは手間がかかるので自然とシンプルに保つようになりま

す。


リバランスの具体例

 

例として、アセットアロケーション「現金:株式投信=50:50」、ポートフォリオ「現

金 100万円:全世界株式投信100万円」の場合

次の1年間株式市場が絶好調で、全世界株式投信が120万円まで値上がり(+20%)しま

した。

そうしますと、現金が100万円(45.4%)、全世界株式投信が120万円(54.6%)という

ポートフォリオになり、目標資産配分から5%程度ずれています。

こうした場合、全世界株式投信の一部を売却して現金を増やすことで50:50へ戻すこと

も可能ですが、売却した時に売却益に対して20.315%の税金が発生します。

つまり、資産を売却してリバランスをするのは税金発生を考えると非効率です。

ですので、可能な限りボーナスから20万円の資金を追加投入し、買い足しだけでリバラ

ンスをするのが良いのです。

ただ、この手法では、総資産額が増えてくると毎月の給与収入やボーナス支給額だけで

はリバランスが難しくなってくるという弱点があります。


リバランスの調整機能

 

リスク許容度のベースとなる考え方は年齢、家族構成、起業・転職、病気・けがなどで

す。

一般的に結婚して共働きなら、リスク許容度は高くなり、子供ができて女性が仕事を辞

める場合は、リスク許容度は低くなります。

ライフステージが変わったり、アクシデントが発生したらリスク許容度を考え直してみ

ましょう。

“主役は家族との日々の生活。リスク許容度は変化するから投資のリスクも変化させ

る”という考え方は大切です。

そして、このようにライフステージに応じてポートフォリオを変更する場合は、段階的

に変更した方が良いです。

数年かけて毎年のリバランスで調整していくということです。

あくまでも、自分の人生・自分の資産です。資産形成を楽しみましょう!