人生100年時代の資産形成について考える

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「人生100年時代」のライフスタイルの可能性を追い求めています。

【過信は禁物】ドルコスト平均法の誤解【正しく理解しよう】

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個人投資家で「ドルコスト平均法」を知らない方はいないと思います。それだけ幅広く

認知され、採用されていますが、一部で万能であるかのような行き過ぎた評価を見かけ

ることがあります。そこで、特徴をしっかり理解した最適な活用を考えます。

 

【過信は禁物】ドルコスト平均法の誤解【正しく理解しよう】

 

ドルコスト平均法とは?)

ドルコスト平均法とは、価格が変動する金融商品を常に一定の金額で、かつ時間を分散

して定期的に買い続ける手法です。

この手法で金融商品を購入し続けた場合、価格が低いときの購入量は多く、価格が高い

ときの購入量は少なくなります。

ドルコスト平均法を利用した積立投資は、値動きに波のある金融商品に投資をする際、

投資タイミングや投資期間といった「時間」を分散してリスクとリターンを平準化でき

るという特徴があります。

 

メリットとして

  • 価格上昇、下降、どちらの局面でもスタートできる
  • 購入単価を平準化できるので、高値づかみを回避できる
  • 日々の価格変動に一喜一憂しないで投資を続けられる
  • 投資初期にまとまった資金を用意しなくても投資が始められる

まさに、投資初心者向けの手法といえますね。

 


ドルコスト平均法の比較対象は何か?

 

「一括投資」との比較

120万円を一括投資するか、毎月1万円ずつ10年間積立投資するかの比較を考えてみま

す。

 

期間で考えれば


期間全体が下げ相場であれば、ドルコスト平均法が有利、一括投資は不利です。

期間全体が上げ相場であれば、ドルコスト平均法は不利、一括投資は有利です。

相場次第であり有利も不利もないのです。

 

時点で考えれば


120万円投資時点での投資残高に対するリスクとリターンは、同じ投資対象に投資して

いるので同じです。

どのような買い方をしたとしても、同じ対象を買う限り、投資完了時点のリスク・リタ

ーンについて有利も不利もないのです。

つまり、この比較で考える場合、ドルコスト平均法は有利でも不利でもないのです。


「等口数投資」との比較

 

「等金額投資」であるドルコスト平均法「等口数投資」の比較を考えてみます。


株価が上がり続ける、もしくは下がり続ける傾向の場合、「等株数投資」が有利

上がったら下がる、もしくは、下がったら上がる傾向の場合、「等金額投資」(ドルコ

スト平均法)が有利

 


ドルコスト平均法での注意点

 

メリットが強調され、見落としがちな注意点としては

  • 機会損失の発生
  • 支払い手数料の増加
  • 一つの対象に対する集中投資によるリスク増加


機会損失の発生

十分な運用資金がある場合ですが、機会損失につながることがあります。

投資するにあたって、「成長することはないだろう」とか、ましてや「下がり続けるだ

ろう」と考えて資金投下することは無いと思います。

あくまでも「将来は不確実でリスクがあるとしても、成長し、リターンが見込めると思

って投資する」のですから、

その時点で、自分にとっての最適な投資金額を投資するのが良いです。

ドルコスト平均法によって、投資資金の投入完了が遅れる場合、その間は、機会損失が

発生しています。


支払い手数料の増加

資産形成で最小化したい、手数料が余計に発生する場合があります。

売買に手数料が掛かる場合、最終的に同じ金額を投資するとしても、売買回数が増える

ので支払う手数料が増えます。

買い付け時に手数料が発生する投資対象の場合には注意が必要です。


一つの対象に対する集中投資によるリスク増加

ドルコスト平均法」でリスク低減されているから」という発想からの、特定資産に対

する集中投資によるリスク増加です。

また、「ほったらかし」というワードを額面通り実行してポートフォリオの配分が乱れ

たままにならないように注意しましょう。

 

私の経験

 

勤務先の従業員持ち株会、その数年後に開始された確定拠出年金において、長い間「ド

ルコスト平均法」で投資しています。

まったく、自覚はありませんでした。社員持株会の説明パンフレットには「ドルコスト

平均法の効用」が書かれていて、確定拠出年金の定期便りにもしきりに「ドルコスト平

均法」が書かれています。

念のため確認しましたが、確実に明確に「株価の変動リスクを回避することができま

す。」と書かれています。

ここまで多くの危機がありましたが、特に私の記憶に強く残っているリーマンショック

時は、しばらく画面が真っ赤でした。

そして、コロナショック時では50代後半の先輩が「めっちゃマイナスなんやけ

ど・・・」と放心状態でした。

くれぐれも過信は禁物であると痛感しました

 

私の意見


ドルコスト平均法」は、投資初心者が長期に渡って資産形成に取り組むスタート時点

のルールとして有効ですが、万能ではないです。

ドルコスト平均法」を活用するには、この手法が適さない状況を知った上で、あくま

で投資の一手法としてとらえる客観性が必要です。

ですので金融商品自体のリスクを下げる」のではなく、「金融商品保有している個

人のパニック行動というリスクを緩和する」が近いのではないでしょうか?

また、リスクに晒している時間が少ないのと同じく、リターンを受ける時間も少ないで

す。

こういった特徴を理解した上で「コア・サテライト戦略」のコアに採用するというのは

良いと思います。

いずれにしても、「万能」とか「ほったらかし」という理解はズレていると考えられま

す。

「全世界インデックス」に「ドルコスト平均法」で積み立て投資をすれば、「ほったら

かし投資で、負けない」を過信し過ぎないようにしたいです。

あくまでも、自分の人生・自分の資産です。